百済観音堂を中心に東西の宝蔵からなる大宝蔵院には法隆寺に伝来する数々の名宝が安置されています。中でも飛鳥時代の建築様式を伝える宮殿形の玉虫厨子は、周囲の金具の下に玉虫の翅があるのでこの名があります。このほか橘夫人念持仏と伝える精緻な光背と後屏を背に蓮池から出現した蓮華に座す阿弥陀三尊像をお祀りした厨子や、その優しげなお顔から悪夢を吉夢に替えてくださると伝える夢違観音像をはじめ、中国から伝えられた白壇造りの九面観音像・天人の描かれた金堂小壁画・百万塔など、上代文化の息吹を今に伝えています。
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